糖尿病
糖尿病
糖尿病の治療は、ここ数年で大きく進歩しています。最新の医療指針(ガイドライン)が目指すのは、単に「血糖値を下げること」だけではありません。「糖尿病のない人と変わらない健康寿命と生活の質(QOL)を保つこと」が一番の目標です。
血液中に糖分が多い状態(高血糖)が長く続くと、全身の細い血管や太い血管が少しずつダメージを受けてしまいます。
目(網膜症)、腎臓(腎症)、神経(神経障害)に現れる、糖尿病特有の病気です。
脳梗塞や心筋梗塞といった、命に関わる血管の病気を防ぎます。
最近の指針では、これらに加えて「足の健康(潰瘍や壊疽の予防)」「骨の健康」「認知機能の維持」など、全身の健康をトータルで守ることが重視されています。
血糖管理の目安として「HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)」という、過去1〜2ヶ月の血糖の平均を示す値を使います。基本的な目標は以下の通りですが、年齢や体調、お薬の種類に合わせてあなただけの目標を個別に設定します。
| 目標のタイプ | HbA1cの目安 | どのような状態を目指すか |
|---|---|---|
| 血糖正常化を目指す場合 | 6.0%未満 | 適切な食事や運動だけで達成できる場合など |
| 合併症を予防する場合(基本) | 7.0%未満 | 多くの患者様の基本となる目標値です |
| 治療の適正化を目指す場合 | 8.0%未満 | 低血糖のリスクが高い方や、高齢の方など |
食事療法:極端な制限ではなく「続けられる工夫」を
最新の指針では、患者様の年齢や体重、ライフスタイルに合わせた柔軟な食事が推奨されています。
少し体重が多め(肥満を伴う2型糖尿病)の方は、まず「今の体重の5%減」を目指すと、血糖値や血圧がぐっと改善しやすくなります。
極端な糖質抜きは体に負担がかかるため、お勧めしません。主食(ご飯やパン)の量を適量にし、水溶性食物繊維(野菜、海藻、きのこなど)を先に食べる工夫が効果的です。また、適量の「果物」は食物繊維も豊富で、血糖管理に悪影響を与えにくいことが分かっています。
運動療法:座りっぱなしを減らすだけでも効果あり
ウォーキングなどを1回15〜30分、週3回以上(1日8,000〜9,000歩が目安)行うのが理想です。
スクワットなどの軽い筋トレを組み合わせると、筋肉が糖を消費しやすくなり効果がアップします。
「日中に座っている時間を短くし、合間に軽いストレッチや片付けなどで体を動かす」だけでも、十分に効果があることが分かっています。
食事や運動で目標に届かない場合は、お薬(飲み薬や注射薬)の力を借ります。
近年、糖尿病の薬は非常に進化しています。単に血糖を下げるだけでなく、「心臓や腎臓を守る効果がある薬」や、「体重を減らすのを助ける薬」など、あなたの体の状態(合併症のリスクなど)に合わせて、最もメリットの大きいお薬を提案します。
糖尿病の治療は、我慢や制限ばかりの「苦しいもの」ではありません。あなたのこれまでの生活スタイルや「これならできそう」という思いを一番に尊重しながら、一緒に一歩ずつ進めていきましょう。薬を必要とする病状の場合においては、当院では上記の記載にあるような単に血糖値を低下させるだけではなく、心臓や腎臓なども保護するような薬を優先的に提案いたします。
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